前回の鬼のパイロン練習会において、ターンインでスライド進入していた僕は、それロスになってるよと指摘を受けて愕然としました。
9/18のD杯でC1昇格を決めたkotaさんも、スライドしないようにしたらタイムが上がったとのこと。どうやらこれは、僕も見直した方がよさそうですね。
というわけで、今回の練習のテーマは「リアをスライドさせないためのセッティング」です。
考察と方針
今回、この問題を考えるにあたって、カスタム虎の穴5巻でちょこっとだけお勉強しました。
まず大前提として、ブレーキングしてターンインするときにリアが滑るのは、荷重がフロント寄りになっていてリア荷重が抜け気味だという仮定です。つまり、ブレーキング時の車体姿勢が「前下がり・後ろ上がり」になっていると考えられます。
僕の純正足回りのVTR250で調整できるのは、フロントフォークの突き出し・リアサスのプリロード、この2ヶ所。フルブレーキング時により「前上がり・後ろ下がり」にするためには、下記2点の変更が考えられます。
- フロントフォークの突き出しを減らす
- リアサスのプリロードを抜く
それでは、それぞれの操作がバイクの姿勢に対してどのように作用するのか、見ていきましょう。
フロントフォークの突き出しを減らす
フロントフォークの突き出しを減らすと、ステム下から出るフォークの長さが長くなるため、バイクの静的な姿勢は「前上がり・後ろ下がり」となります。そして、フロントフォークがフルボトム・伸び切った際の動的な姿勢も「前上がり・後ろ下がり」となります。
リアサスのプリロードを抜く
リアサスのプリロードを抜くと、車体にまたがったときの沈み込み量が大きくなり、バイクの静的な姿勢は「前上がり・後ろ下がり」となります。一方で、リアサスがフルボトム・伸び切った際の動的な姿勢は変わりません。ただしあくまでも、サスペンションが最大限に動く際の話であって、通常は伸び側・縮み側とものマージンがあるものです。リアサスのプリロードを抜くと、伸び側のマージンが大きく、縮み側のマージンが小さくなって、サスストロークの使う部分が下側にシフトします。したがって、基本的には「前上がり・後ろ下がり」になると考えてもいいような気がします。
で、どうする?
それでは、どちらを調整しましょう…。
kotaさんは突き戻した、つまり突き出し量を減らしたようです。
先日のTRY&KPR合同大会前日練習会のつな講習で指摘されてリアサスはプリロードをかけたところでいい感じな気がしていますし、僕も突き出し量を減らす方向で検討してみようと思います。
お品書き
というわけで本日の練習です。前回参加の8/20に引き続き、今夏からレギュラーメンバー入りしたNコースです。
最後の赤の右オーバルではブーツをガリガリ擦ってしまう、エクスタシーコースとなっております。
突き出し量の検討
VTR250の突き出し量は、下記2ヶ所のボルトを緩めて調整します。
なお、トップブリッジはCB400SF(NC31)のものを流用しているため、VTR250純正とは形状が異なります。
セッティング変更なし(突き出し量3mm)
前回Nコースを走行した8/20のベストタイム52.780を、セッティング変更なしで早速更新してしまいました。52.613!リアサスのプリロードをかけることで、リアの動きが最小限になったのでしょうか。そうだと思いたい。
1mm突き戻し(突き出し量2mm)
突き出し量を減らして8の字エリアを走っていたところを見たハエさんから、コメントをいただきました。「頭が次を向くのがコンマ02秒早い。身体は曲がろうとしているのにバイクはまだ真っ直ぐに進もうとしている。そのタイミングで、縮めたフォークがちょこっと伸びてる」とのこと。先行動作を意識してバイクを曲げていこうと思っていたのですが、思わぬ弊害があったようです。自分の走りを振り返って、ターン中のフロント荷重がちょっと抜け気味な気がしていたのは、おそらくこのせいだったのかもしれません。
さて、突き出し量を減らして走ったコースですが、さらにタイム更新することができました。51.802と、前の枠より0.8秒もタイムアップし、前回の幻のタイムをも超えました。
さらに1mm突き戻し(突き出し量1mm)
タイムは上がったものの、まだちょっとリアが滑っている感覚がありました。そこで、もうちょっと突き出し量を減らしてみることにしました。その結果、スタートで一気にリアに荷重が乗る時やちょっとした切り返しの時に、フロントが抜けそうになる感覚がところどころありました。全体的に接地感が薄くなった感じです。ですが、タイムは51.444とまたベストを更新してしまいました。
また、先ほどハエさんに教えてもらったターン時の次へ頭を向けるタイミングですが、あらためて意識して走ってみた結果、セルフステアでハンドルが切れるのに合わせて次を向くのがいいような気がしました。それがなんとなく走りやすかったということで、サスの動きとかをちゃんと見たわけではないのですが。
逆に1mm突き出し(突き出し量2mm)
タイムはよかったものの、フロントが抜けそうになる感覚が嫌で、また突き出す方向に調整してみました。結果、リアが滑りだしました。やっぱりさっきの突き出し量1mmの方がよかったのかなといった印象。タイム的にも、さっきの枠よりコンマ5秒くらい遅くなっていました。
結論:突き出し量1mmがいい感じ
今回の練習では、突き出し量を3mmから1mmまで、1mm刻みで変えてみました。結果、一番突き出し量を減らした1mmで、最もタイムが出たという結果になりました。
突き出しをたった1mm変えるだけで、ハンドリングや荷重の前後バランスが変わって、それを自分で感じ取れて、とても面白い練習でした。
参考文献
おまけ
ブーツ擦り擦りエクスタシーをやりまくった結果です。
だいぶ擦ったような気がしたのですが、思ったよりも減っていないような気がします。それに、擦ってるときもいい感じに滑ってくれて、心地がいいです。
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