前回、車両をざっと見て整備すべき項目を決めました。
今回からは、実際の作業記録になります。
今回の目標は、とりあえずエンジン始動の確認をすること。どこかしらに致命的な問題があってエンジンがかからないとなれば、公道復帰なんて遠のいてしまいますから。
エンジンオイルの交換
まずは、エンジンオイルを交換します。このオイル、いつから入っているものかわかりませんし。
古いエンジンオイルの排出
17mmのメガネレンチで、ドレンボルトを緩めます。
あらかた緩めたら、オイルドレンプラグリムーバーを使い、出てくるオイルが手にかからないようにします。
オイルどばー。
使ってるオイルドレンパンはフタつきのもの。廃油を捨てに行く途中でこぼす、みたいな心配がないので便利。
オイルエレメントの交換
エンジン前側、エキパイの奥にあるオイルエレメントを交換します。
付いてたエレメントには、65mmのフィルターレンチが合いました。
外したとこからオイルどばー。後でエンジンやらエキパイについてしまったオイル拭いときましょう。
新しく取り付けるオイルフィルターは、デイトナのもの。しかもデイトナさん、フィルター・フィラーキャップパッキン・ドレンボルト用ガスケットをセットにして販売してくれてる!ありがたい!
新しいフィルターのパッキン部分にオイルを塗布し、車体に取り付けます。取り付けは手締めで。
EZバルブの取り付け
トランポとして使っているマツダ スクラムに取り付けているEZバルブがとても便利なので、この車両にも取り付けることにしました。
準備したのは、ネジ径12mm・ピッチ1.5mmのバルブEZ-109と、EZ-109用の延長アダプターA-109。
試しにEZ-109だけ。エンジンについているボルトガードが邪魔で、取り付けることができません。
そこで、延長アダプターA-109を使うことで、ボルトガードをかわします。
A-109を使用することで、EZバルブを取り付けることができました。
ちなみに、はじめコックの位置が気に食わなかったので、アダプターとバルブの間にガスケットを挟んでみました。コックがちょうど車体左側に来て、いい感じ。
新しくオイルを入れる
新しく入れるオイルはこちら。
オイルフィルター交換時の必要量は3.2リットルとのことですが、とりあえず3リットルだけ入れて、後で足すことにします。
ガソリンタンクの取り外し
この後の作業にあたって、ガソリンタンクを外す必要があります。
まずはシートを開けます。車体左側にあるヘルメットホルダーのキーを回し、その裏のレバーを引くと開きます。一手間多くて面倒だな。
続いて、サイドカバーを外します。5mmの六角を外し、
手前に引くと外れます。サイドカバーはボルト1本とツメ2つで固定されています。
さらに、タンクを固定している12mmのボルトを外し、
持ち上げます。タンク左側から車体に、ガソリンメーターのカプラーが繋がっているので外します。
さらに下から覗くと見える、タンクからつながるホースを抜きます(下写真の赤丸3つ)。フューエルホースは、緑色のリテーナー外側のツメを両側から挟み、引っ張れば外れます。このリテーナー、一度外すと要交換らしいのですが、別に目に見えて損傷しないので交換しなかったのはここだけのお話。
ちなみに、リテーナーの純正品番は17711-SOX-931。
タンクは、後ろに引きながら持ち上げると外れます。
エアクリーナーエレメント交換
外したタンクの下、後ろ側にある、エアクリーナーエレメントを交換します。
エアクリーナーボックスのフタは、3本のビスで留まっています。これらを外して、オープン。
今回交換するエアクリーナーエレメントは、純正ではなく互換品。
もともとついてたもの(左)と新品(右)の比較。フィルター部分の鮮やかさ、一目瞭然。
新しいエアクリーナーエレメントを入れて、ボックスのフタをしめて、完了。
冷却水の交換
タンク下、前方右側にあるラジエーターキャップを開けておきます。新しい冷却水はここから入れることになります。なお、今回はエンジンかけていないので問題ありませんが、エンジン停止後の熱いときに開けると、吹き出して来ますので注意。
冷却水の排出
CB400SF(NC42)の冷却水ドレンは、3箇所。
1つ目は、エンジン左下のウォーターポンプ部分。10mmのメガネレンチでドレンボルトを外します。
限界まで我慢したおしっこくらいの勢いで出てきます。
2つ目・3つ目はエンジンシリンダー前側の左右に一つずつ。まず左側から。
まだ我慢できるけど、サービスエリアに寄ったついでに出しとくか、くらいのおしっこレベルの勢い。
ただし、最後はフレームやらエンジンやらを伝って流れていくので、後で拭いておきましょう。
3つ目、シリンダー前右側。
残尿を絞り出すくらいの勢い。最初からエンジン・フレームを伝って出るので、掃除が面倒。車体の下にペットシートでも引いておけばよかったなと後悔。
さらに、リザーバータンクの冷却水も排出します。マニュアル的にはリザーバータンクを外すことになっているのですが、今回は自己流のやり方。
リザーバータンク上から車体下にのびている、オーバーフローした冷却水を逃すホースの先からエアを吹き込み、ウォーターライン内の圧を上げて押し出す作戦。ただし、これをやる前にラジエーターキャップを締めておかないと、頭の上から冷却水が降ってくることになります。
新しい冷却水を入れる
ドレンボルトのワッシャーは、締め込む際に潰れて漏れを防ぎます。よって、新品に交換。純正品番は90463-ML7-000。ドレンボルトの数だけ、3つ必要です。
新しいワッシャーをつけたドレンボルト3箇所締めます。
今回入れるのは、ホンダ純正ウルトララジエーター液。原液を30%に希釈して使用しました。30%だと凍結温度は-16℃らしい。関西でそんな気温になることなんて、ないやろ。知らんけど(ハナホジ
希釈した冷却水を、ラジエーターキャップ部分に入れていきます。車体を揺らしたりエンジン回りのホースを揉んでエアを抜きながら、少しずつ。欲張って一気に入れようとすると、溢れます。
ラジエーターキャップから入れたのと、リザーバータンクのFULLラインくらいまで入れて、約2リットル。
スパークプラグの交換
スパークプラグの取り外し
エンジンヘッドカバーについてるプラグキャップを外し、もとからついてたプラグを外します。並列4気筒のうち内側2つは、プラグキャップにベロがついてて外しやすくなっていました。優しい。
使うプラグレンチは16mm。内側2つはフレームやらハーネスやらが邪魔で作業しづらいけど、しょうがない。
外したプラグを確認すると、CR7EH-9が出てきました。NGKの適合表ではCR8EH-9だったので、熱価が低い焼けやすいプラグということになります。あまり高回転まで回さない乗り方だったのかな?
クランクシャフトを回してエンジンオイルを回す
この車両は1年ほどエンジンをかけていなかったため、エンジン上部まで回っているべきエンジンオイルが重力で下に落ちきっている可能性があります。油膜切れのままエンジンをかけてしまうと、シリンダーやピストンに傷が入り、最悪エンジンがダメになってしまうことも。
というわけで、事前にエンジンオイルを回しておく必要があります。
プラグホールからオイルを垂らすというやり方もあります。ただし、燃焼室には本来エンジンオイルは入らないようになってるはずで、そこにオイルを入れるのはいかがなものか、と個人的には思うのです(あくまでも個人の考えです)。
というわけで今回取ったのは、プラグなしの圧縮かからない状態で、人力でクランクシャフトを回してやろうという方法。クランクシャフトを回すことでオイルポンプも回り、エンジン全体にオイルを行き渡らせることができます。
CB400SF(NC42)のクランクシャフトは、エンジン右側前方、10mmの六角レンチでカバーを外すとアクセスできます。
カバーを開けて中を覗いたのが下写真。これを14mmのソケットで回してやります。奥まっていて届かない可能性があるので、ディープソケットが望ましいです。
回す方向は、タイヤと同じ方向。ちゃんとオイルポンプが動いていれば、オイル点検窓で確認できる油面がちょっと下がるはず。それを確認しながら、20回転するくらいは回したかな?
新しいスパークプラグの取り付け
エンジンオイルを回した後で、新しいスパークプラグを取り付けます。
取り付けたのは、もともとついていたCR7EH-9ではなく、NGKの適合表通りのCR8EH-9。VTR250用にまとめ買いしてたストックを使いました。
新しいプラグをプラグレンチに取り付けてプラグホールにぶっこみ、はじめは手締めで。手で締まらなくなったところから、メガネレンチを使ってトルクをかけて1/16回転締め込み。
エンジンの始動確認
これまでの作業
- エンジンオイルの交換
- エアクリーナーエレメントの交換
- 冷却水の交換
- エンジンオイルの循環
- スパークプラグの交換
で、とりあえずエンジンはかけられる状態になったはずです。そこで、始動確認をしてみます。
バッテリーは上がっているので、VTRちゃんに助けてもらいます。
セルを回してエンジンが無事にかかりました。
灯火類もOKそう。
エンジン停止してから5分ほど、オイル点検窓を確認したらLowくらいになっていました。200mlほど追加投入、Fullよりちょい下まで入れてフィニッシュ。
最初セル回るけどエンジンかからなくておかしいなぁと思ってたら、ガソリン抜いてたのを忘れていたというのは、ここだけのお話。(ゝω・) テヘペロ
まとめ
今回は、
- エンジンオイルの交換
- エアクリーナーエレメントの交換
- 冷却水の交換
- エンジンオイルの循環
- スパークプラグの交換
を行って、無事にエンジンが始動できることが確認できました。というわけでこれからは、ちゃんと走れるように各部のメンテナンスのステップに安心して進むことができます。
次回、フロントフォークのオーバーホール編につづく
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