約1週間前、昇格できず、順位も振るわなかったKPR杯の後、パーツが届いたのでTRYのときにkotaさんに指摘いただいたフロントフォークのピストンリングを交換しました。kotaさんの見立てでは、ピストンリングが摩耗していることで減衰がちゃんと効いていないとのこと。勉強不足な僕は、なんでそうなるのかわかりませんが(いい加減勉強しなさい)。
フロントフォークの取り外し、分解
フロントフォークを取り外す前に、トップキャップを緩めておきます。17ミリのメガネで。緩めるだけで、まだ外しません。
また、フォークを留めているトップブリッジ、ステムのボルトもちょこっとだけ緩めておきます。トルクをかけやすいうちにトルクをかけておくという意味合いで、ほんのちょこっと緩めるだけで、まだ外しません。なお、トップブリッジに関しては、CB400SF(NC31)のものを流用しているため、純正とはボルト位置や形状が異なります。
ここまでやったら、メンテナンススタンドでフロントを浮かせて、フロントホイール・フェンダーを外します。
ちょっと緩めていただけのトップブリッジ、ステムのボルトを完全に緩め、フォークを外します。
フォークオイルを交換するのであれば、ここでトップキャップを外せばいいのですが、今回の主な目的はフォークピストンリングの交換です。サービスマニュアル的には、フォークオイルを抜いてから、アウターチューブ底のボルトを外すという手順になっています。しかし、一般的な正立フォークではこのボルトを緩めようとすると、中のフォークピストンも共回りしてしまうことが多いらしいです。ということで、スプリングやら何やらを外さずに、バネで押さえつけた状態で回してやろうという算段を立てました。
さらに、一瞬でトルクと回転力をかけるために、インパクトを使いました。手持ちのヘックスソケットを使えるように、新たにソケットアダプターを購入。
ちなみに、使ったインパクトはマキタの14.4V。
しかし、インパクトがガガガガガガガといって回る気配がありません。トルクが足りないのかな?
というわけで、サービスマニュアルにあった通り、フォーク自体をバイスで固定し、スピナーハンドルで回しました。そこそこの力で締まっていました。なお、中にフォークオイルが入ったままの場合、ボルトを外すとそこからオイルが出てくるので注意です。下写真のような方法で外すのであれば、もうフォークオイル等々抜いちゃいましょう。
なんだかんだありましたが、ようやく分解終了です。トップキャップを外してフォークオイルを抜きます。インナーチューブを何度かシコシコして、オイルを出していきます。
オイルがあらかた出たら、チューブの中からカラー、ワッシャー、スプリング、フォークピストン、スプリングを出します(上から順)。ひっくり返すだけで出てきます。なお、フォークピストンを外した後でインナーチューブを伸ばしたままフォークを立てると、フォークピストンとアウターチューブを繋ぐパーツが中で転がってしまい、完全オーバーホールが必要になります。手間を増やしたくなかったら注意しましょう。
ピストンリングの交換
今回の主目的のピストンリングの交換です。
新品ピストンリングの品番は51437-KV3-701でした。
新旧ピストンリングの比較です。
新品のピストンリングの厚みは2.10mm。
外した古いピストンリングは…、2.10mm!一緒でした!
表面に傷がついているのか?と思ったけど、見た目でも違いがよくわかりません(左が新品、右がついていたもの)。
違いはよくわかんないけど、交換しないよりは交換した方がいいだろうということで交換。
フロントフォークの組み立て
リバウンドスプリング、ピストンリングを交換したフォークピストンを入れて、アウターチューブの下部のボルトを締めます。外す時と同じように、バイスで固定しました。サービスマニュアルにはネジロック剤を塗れと書いてありましたが、競技に使う車両なのでサクッとバラせるように、無視。
追記:PITAさんから指摘がありました。確かに構造的に緩みやすく点検もしづらい場所な上、コース上で緩んでオイル漏らしたら大変なので、ネジロックはしておきましょう。
ここからフォークオイルを入れていくのですが、注意が必要な点が。VTR250の初期型はオイル量460±2.5ml、油面105mmとなっていますが、3型はオイル量467±2.5ml、油面98mmとなっています。パーツリストを見ると、フォークスプリングが違うらしい?
新旧オイルの比較。左の古いオイルは、約1年半交換していませんでした。街乗りならまだしも、ジムカーナでガンガン動かすのに、交換しなさすぎだよ〜と言われてしまいました。そういうものなのですか、なるほど。でもね、前回(10年ぶりに)交換したフォークオイルよりも全然綺麗です。前回はなんか緑みがかっていて、ヘドロの臭いがしましたから(論外)。
フォークオイルを入れて、手で何度かインナーチューブを上下させて、エアを抜きます。ギュッポッギッュポッってなんかアレな音がします。動きといい音といい…、いえ、なんでもありません。
油面調整には、下のような調整ツールを使いました。こういうツールを使わずにモノサシとかで油面調整している方がいるようですが、専用ツールがあれば、一発でキメられるので楽ちんです。
フォークオイルを入れて油面調整が終わったら、静かにスプリング、ワッシャー、カラーを入れます。スプリングは巻きがきつい方が下になるようにします。トップキャップは、トルクがかけづらくきっちり締められないので、あらかた締めておいて、フォークを車体に取り付けた後で本締めします。突き出しは、とりあえず外す前の状態にしておきました。インナーチューブ上端から測って3mmです。純正よりはちょっと突き出してます。
以上でとりあえず作業終わり!
まとめ
1年半前にオーバーホールしたときは、慣れた方にほぼやってもらった感じだったのですが、サービスマニュアルとパーツリストを見ながらであれば、自分一人でできる作業でした。一部、僕オリジナルな工程があったけど(ピストン外したのにインナーチューブを外さないとことか)。
なお、僕の記憶が正しければ、前回のフォークオーバーホールのときは油面105mmにしていたような…。つまり、
- ピストンリング新品
- フォークオイルがめちゃ綺麗になった
- 油面が上がってオイル量が増えた
という変更点があるので、乗り味が変わったとしてもピストンリング交換のおかげでそうなったのかはわからない状態になりました。まぁでも、新品にして悪くなることはないよね!(組み付け等の作業手順が間違ってなければ)
これがいい方向にいって、さらにスキルアップにつながればいいなぁ。
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