前回の「エアクリーナー・エンジン/フォークオイル・冷却水編」につづき、今回はブレーキ清掃、フルード交換、スパークプラグを確認していきます。
ブレーキキャリパーの清掃
フロントブレーキ
フロントブレーキは、14mmの頭の2本のボルトで留まっています。なお今回は、フォークオイルを交換した時に外して、そのまんま。


フロントブレーキのパッドは、パッドピンなしの固定方法になっています。パッドを押さえつけているクリップを緩めて真ん中に持っていき、


下から引っこ抜くだけ。固着しづらそうでいいかも。


外したパッドは残量まだまだあり、まだ使えそう。なお、乗り出して4年、パッド交換は一度もしていません。


外したキャリパーはお湯につけ、汚れが落ちやすいようにします。


中性洗剤(食器用洗剤)と歯ブラシでごしごし。


ピストンの裏側、そのままでは歯ブラシが届かないところは、ピストンプライヤーでピストンを回し、届くようにして磨きます。ロッキングプライヤーだと、ずっと渾身の力で握り続けなくていいから良き。


フロントキャリパー2つから出てきた汚れで、もはやバケツの底が見えません。うぇー。


洗剤で洗った後、水で洗剤を洗い流します。


洗浄後の水分は、エアで飛ばして乾かします。


ピストンにはシリコングリスを塗布。


ブレーキセパレーターでピストンを押し戻し、レバーを握ってピストンをまた押し出してグリスを塗布し…を繰り返して、スムーズにピストンが動くようになるまで揉み出し。


ピストンを押し戻した後、パッドをキャリパー中央から差し込んで、キャリパー上部のプレートをかわして横にスライド、パッドを押さえつければ完了。


リアブレーキ
続いてリアブレーキの清掃。
リアのパッドはパッドピンで留められているので、まずはパッドピンを緩めます。パッドピンには、車体左下側からアクセスでき、ピンはキャリパー前側にあります。


続いて、2ヶ所で留めているキャリパーマウントボルトを外し、キャリパーを車体から外します。




汚れが落ちやすくなるように、お湯につけてしばらく放置。


中性洗剤(台所用洗剤)と歯ブラシで、汚れを落とします。


リアキャリパーの汚れで、バケツの水は真っ黒に。


洗剤で洗った後、流水ですすぎます。


エアで水気を飛ばした後、シリコングリスとブレーキセパレーターを使って揉み出し。


フルードの交換
2年半前の車検時に交換したっきり放置していたクラッチ・ブレーキフルードを交換します。
クラッチフルードの交換
まずはクラッチ。マスターのリザーバータンクを開けると、そこにはいい色をしたフルードが。


タンク内のフルードを全部抜き、新しいフルードを。使ったのはホンダの純正フルード(DOT4)。クラッチだけどブレーキフルードを使うの、よくよく考えたら変な感じ。


車体左側、ウォーターポンプ上部にあるクラッチのニップルから、陰圧をかけてフルードを抜きます。ハンドル側のタンク内の液量に気をつけながら、ホース内の古いフルードが抜け切って、ニップルからきれいなフルードが出てくればOK。


最後に、ハンドルのリザーバータンクへ、FULL手前までフルードを足したら完了。
ブレーキフルードの交換
続いてブレーキのフルード交換。
フロントブレーキは、クラッチよりもいい色に。


リアブレーキのフルード、見づらいけどクラッチと同じくらいの色味。


これらタンクのフルードを新しいブレーキフルードに交換し、クラッチ同様キャリパーから陰圧でホース内の古いフルードを交換。なおフロントはキャリパー2つなわけですが、ホース全長の長い左側のキャリパーから。


スパークプラグのチェック
VFR800Fのプラグ脱着は、とてもとてもめんどくさい。
リアバンクの2つはフューエルタンクを外さないとアクセスできず、フロントバンクの2つはラジエーターをずらさないとアクセスできない。ラジエーターはまぁ冷却水を抜かなくていいだけマシかな。V型エンジンは好きだけど、整備性の悪さはもうちょっとどうにかならないものか。
というわけで、まずはフューエルタンクの取り外し。まずはタンク前側のボルトを外し、タンクを持ち上げます。


サービスマニュアル的には、まずはカプラーを外してからエンジン始動、フューエルポンプが回らないのでいずれガス欠でエンジン停止、その後フューエルホースを抜くようになっています。ホースやポンプ内に残っていたガソリンが溢れないための措置でしょうが、僕は無視。溢れたら拭けばいい。
フューエルポンプからのホースは、コネクターの白い部分を押しながら引き抜くと外れます。


ホース類3本を外した状態。


カプラーも抜きます。


タンク後ろ側の固定ボルトを六角レンチで外すと、晴れてフューエルタンクを外すことができます。


イグニッションコイルは、頭が六角のボルトで固定されています。


ボルトを外し、イグニッションコイルにつながるカプラーを外すと、プラグへアクセスできます。


プラグはNGKのIMR9D-9Hで、16mmのプラグレンチを使用。
外したプラグがコチラ。電極の大きな摩耗もなさそうだし、距離も2万kmちょいだし、低回転でまったり走る乗り方だし、今回は交換しないでいいかも?ネジ部の茶色くなっている部分は、一応パーツクリーナーで掃除して、再度取り付け。


フロントバンクのプラグを確認するためには、ラジエーターをずらしてクリアランスを確保しなければなりません。そのためにまず、ホーンを外します。ホーンは車体左側のインナーロアパネルあたりに。ホーン上側のボルトを外します。


ボルトを外すとホーンの配線が2本見えますので、これらを引き抜いたらホーンが外れます。


ラジエーターは車体右側のウォーターホース付け根のボルト1本と、


車体左側のラジエーター上下の1本ずつを外します。


左側のインナーロアパネルは冷却水の交換時に外していたのですが、ラジエーターを外すにあたってクリアランス確保のために右側も外しました。


3本のボルトを外したら、ラジエーターを向かって左側、車体右側にスライドさせて、マウントボスから取り外します。


ラジエーターを手前にずらすとイグニッションコイルにアクセスすることができるようになります。イグニッションコイルのボルトを外します。


カプラーを外してイグニッションコイルを引き抜き、16mmのプラグレンチで。


クリアランスの問題で、ユニバーサルジョイントとエクステンションを組み合わせてハンドル近くで回しました。


使った工具はこんな感じ。プラグレンチ+長さ色々なエクステンション計4本+ユニバーサルジョイント+ラチェットアダプター+スライドハンドル。


うん、大丈夫そう。ネジ部の茶色くなっている部分はパーツクリーナーで清掃し、再度取り付け。


チェーンメンテナンス
外していたカウル類を全部取り付けた後、最後にチェーンメンテナンス。
まずはチェーン清掃。


つづいて洗車。ちなみにトランポに積み込むために、スクリーンは外しています。


洗車できれいにした後で、チェーンルブを塗布。


さて、次回はいよいよ最終回、実際に車検を受けに行きます。
おまけ
カウルの脱着時、ブッシュをいくつか折ってしまいました。純正品版は60116-SP0-003ですが、今回は互換品を購入してみました。一応問題なく使えてます。


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