2年前に諸々の整備を行って車検を通して新しいオーナーのもとへ旅立っていったCB400SF Revoが、帰ってきました。
今回のご依頼は、タイヤ交換。それに伴い、どうせやるならついでにという作業もやってしまいます。
※この記事には、過去の作業写真の使いまわしがあります。ご注意ください。
タイヤ交換
入庫時のタイヤはこのような状態。




もう完全にスリップサインが出ています。ひび割れもあります。というかそもそも10年以上前のタイヤなので、スリップサイン以前に硬化で本来の性能を発揮できていなかったと思います。2年前の旅立ちの際、タイヤ古いから早めに交換した方がいいと思うって伝えたような気もするけど、まぁいいや。


フロントホイールの取り外し
まずはフォークに固定されているキャリパーを外します。固定ボルトは12mmの六角。


フロントホイールを取り外すため、アクスルシャフトを締め付けている割り締めボルトを緩めていきます。頭が12mmのメガネレンチで緩めます。ボルトは左右2本ずつ、計4本。


続いて、アクスルシャフトのナットを外します。24mmのメガネレンチで。


ナットを外したら、貫通ドライバーでシャフトの端を小突き、反対側からシャフトを抜きます。


リヤホイールの取り外し
まずはキャリパーを取り外します。12mmのメガネレンチで後ろ側を固定しているボルトを外し、


前側のボルトを支点に、持ち上げて右にずらすと外れます。実は前側のボルト、キャリパー側に固定されていて、キャリパーサポートには刺さっているだけなんです。外さなくてもキャリパーは外せます。


つづいて、アクスルシャフトを抜いて、ホイールを外します。
ナット側は24mmのメガネレンチで。


アクスルシャフト側は17mmのメガネレンチで緩めます。


ナットを外し、シャフトを引き抜いてやれば、ホイールが外せます。
タイヤ交換


タイヤチェンジャーのような高級品は持っていないので、手組みでのタイヤ交換です。
ビードブレーカーでビードを落とし、タイヤレバーで古いタイヤを外し、新しいタイヤをまたレバーを使って組付け、エアコンプレッサーを使ってビードを上げる。それだけと言えばそれだけなのですが、非常に大変でした。
というのも、古いタイヤが10年以上前のもので、硬化してカッチカチだったためです。
カッチカチすぎてなかなかビードが落ちず、タイヤウォーマーを使って温めて柔らかくしようぜ作戦を決行。


そんなこんなで、何とか交換を終えました。


新しいタイヤはブリヂストンのBT-023。ブリヂストンは好きです。なぜなら配当金をたくさんくれるから。売上に貢献してくださって、ありがとうございます(笑)。
また、エアバルブの交換も同時に行いました。
古いエアバルブは返しがついている根元から切断して外します。


新しいエアバルブは、バルブ装着ツールを使って取り付けます。ただそれだけのための工具なのですが、これがあるのとないのとでは、作業性が段違いなのだ。


ホイールを外したついでに、ベアリングとハブダンパーのチェック。


ハブダンパーに関しては、劣化により亀裂が入っていたし、スプロケにガタが見られたので交換時期ですね。
ベアリングは、フロントホイールとスプロケのものが、ちょっと怪しいかなといった感じでした。今すぐ変えなきゃヤバイってほどではないですが、こちらも交換を検討した方がいいでしょう。
フォークオイルの交換
タイヤ交換のためにホイールを外すし、1年ごともしくは1万km走行ごとに交換が推奨されているフォークオイルの交換を行います。
フロントフォークの取り外し
フォークに固定されている、フロントフェンダーを外します。5mmの六角レンチで左右2本ずつ、計4本のボルトを外します。


続いて、フォークをトップブリッジで固定しているボルトを緩めます。クリアランス的にメガネレンチがかからなかったので、ソケットを使ってラチェットレンチで外しました。頭が12mmの六角。


次にフォークのトップキャップを緩めます。トップブリッジのボルトで締め付けられた状態だと、トップキャップのネジ部に力がかかっています。その状態で緩めようとすると、ネジ部が破損する可能性があるので注意。
また、フォークを車体から外した後ではトルクかけづらいので、フォークを外す前に緩めておきましょう。
24mmのメガネレンチで緩めます。この段階では緩めるだけ、まだ外しません。


トップキャップを緩めた後で、ステムで固定しているボルトを緩め、フォークを車体から外します。
14mmのメガネレンチで。緩める際にフォークが落ちないよう、支えておきましょう。


フォークオイルの交換
トップキャップを開けると、上から順にカラー、ワッシャー、スプリングが入っています。これらを抜いて、中の古いフォークオイルを排出します。


2年前にフォークをオーバーホールしたときから変えていなかったようで、いい色のオイルが出てきました。
何度かストロークさせると、さらにオイルが抜けてきます。できるだけ古いオイルは抜いてしまいましょう。
推奨フォークオイルはウルトラCOスペシャルIII SAE-10W(ホンダ純正オイル)らしいのですが、ヤマハのG-10を使います。ホンダのより安いっていう理由で僕が普段使っているのがあったから。
オイル量は460±2.5cm3だそうです(知恵袋情報)。どうせあとで油面調整するので、ちょっと多めに入れておきます。


スプリング等入れていないフォークにオイルを入れて、ゆっくりと数回ストロークさせてエアを抜きます。
その後、油面調整です。インナーチューブを完全に押し込んだ状態で、インナーチューブ上端から油面までの距離を測ります。オイルレベルは139mmだそうです(こちらも知恵袋情報)。
油面調整は、専用の油面調整ツールを使用しました。


油面を合わせたら、スプリング、ワッシャー、カラーの順に戻し、トップキャップを締めて、車体に取り付けます。
フォークを車体に取り付ける際の、ボルトを締める順番は下記。
- ステムで固定するボルト(14mm)
- フォークのトップキャップ(24mm)
- トップブリッジで固定するボルト(12mm)
トップキャップを本締めするまえにトップブリッジ固定ボルトを締めると、ネジ部に力がかかってしまい破損の可能性があるためです。また、フォークを固定しておかないとトップキャップにトルクをかけられません。
また、同時に外していたホイールも組付けます。
ブレーキフルードの交換
ブレーキフルードは2年ごとの交換が推奨されています。2年前の整備から交換されていなかったようなので、今回交換しました。


フルード交換は、エアツールを使ってキャリパーのニップル部から古いフルードを排出していきます。この様子を見守りながら、リザーブタンクが空にならないように新しいフルードを注ぎ足していきます。
リザーバータンクが空になった状態で下からフルードを出し続けると、ブレーキラインにエアが噛んでしまうので、エア抜きという手間が発生します。注意。
今回使用したフルードはこちら。
純正品よりもお安く買えますし、特にタッチ等不満もないので個人的に使っているものです。
まとめ
今回は、前後タイヤ、フォークオイル、ブレーキフルードの交換を行いました。
また、ついでにハブダンパーとベアリングの点検も行いました。きっと今後もCB400SF Revo編は続くような気がする。。。
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