先日、VTR250のフロントフォークにイニシャルアジャスターを取り付けて、プリロード調整ができるようにしました。
そこで今回は、取り付けたイニシャルアジャスターをいじってみて、いい感じのセッティングを探っていこうと思います。
お品書き
今回はKコース。今回から、路面の溝を避けるようにパイロン配置が若干変わっています。
プリロードを変えるとどうなるのか
イニシャルアジャスターを緩めると、プリロードを抜くことができます。一方で、イニシャルアジャスターを締めていくと、プリロードをかけていくことができます。
それでは、プリロードを変えるとどうなるのでしょう。
プリロードが変わると、バイクにまたがった際のバネの縮み量が変わってきます。それに伴って、サスペンションの使う部分が変わってきます。
ただ、バネ自体の硬さやサスペンション全長が変わっているわけではないので、サスが縮みきったとき/伸びきったときの車高は変わりません。
練習:フロントフォークのプリロードを変えてお試し
プリロード全抜き
まず、イニシャルアジャスターを一番緩めた状態、つまりプリロードを最も抜いた状態を試してみました。
イニシャルアジャスターを取り付ける際に加工したため、この状態では純正よりもプリロードが抜けた状態になっています。
バイクをまたがった状態での縮み量が大きくなるため、全体的に前下がりな姿勢となっています。それによってリアに荷重がうまく乗っていないのか、ブレーキングしてターンに進入する際、リアがかなり滑ってしまいました。
なお、このセッティングでの最大ストローク量はこんな感じでした。
プリロード10回転締め込み(ほぼ全掛け)
つづいて、イニシャルアジャスターを10回転締め込んでみました。このくらいがだいたい最大にプリロードをかけた状態になります。
初期縮み量が少なくなって、バイクの姿勢は前上がり・後ろ下がりな状態となります。そのためか、なかなかセルフステアでハンドルが切れるのが遅く、少し待たなければならない時間ができました。
また、前上がりになって前荷重が抜けてしまったせいか、回転がちっとも安定せずにうまく回れませんでした。もうお話にならないレベルで決まりません。
プリロードをかけていると、理屈上はフォークのストローク量が減るはずです。しかし、インナーチューブに取り付けていたストロークセンサーの示す最大ストローク量は、プリロードを抜いていた状態と変わりませんでした。自覚なく底づきしてしまっているのでしょうか。
なお、この状態でのベストタイムが50.513でした。
8の字で検討
プリロード全抜きで微妙だな、プリロードほぼ全掛けでは全然ダメ、といった感じだったので、ちょこっとだけプリロードをかけるのがいいのかな。
すぐに調整できるように、マイナスドライバーを持って8の字エリアへ。ちょっと走っては締めて緩めてを繰り返し、いい感じのセッティングを探っていきます。
パッとわかる変化はハンドルが切れるタイミング。プリロードを抜いた状態ではセルフステアでハンドルが切れやすく、プリロードをかけるとセルフステアでハンドルが切れるのが遅れてくる感じでした。
ハンドルが切れるタイミングを指標にすると、2回転締めがいい感じだと思いました。2.5回転締めると、「今切れてほしい!」というタイミングからちょこっとだけ遅れて、うまく呼吸があわない感じになりました。
プリロード2回転締め
8の字エリアで決めたセッティングで、コースを走ってみました。
この枠でのベストタイムは49.568、仮想トップ(44.0)比で112.65%。悪くない結果だと思います。
ただ、リアが滑りそうになる場面がちょこっとありました。そこまで問題になるようなレベルではなく、ほんの時たま、滑りそ?今気持ち滑った?って感じですが。8の字エリアと比較してスピードレンジがちょっと上がったので、その分若干前荷重が強くなったのでしょうか。
プリロード2.5回転締め
前の枠でリアが滑るような感覚があったので、ちょっとだけプリロードをかけて、後ろ荷重を強くしてみようと画策しました。イニシャルアジャスターを半回転締めて、2.5回転締めに。
確かにリアが滑る感覚はなくなりました。しかし、8の字エリアで感じた、セルフステアでハンドルが切れるのが遅くてタイミングが合わない感じがありました。
タイム的にも、プリロード2回転締めの時よりもコンマ数秒遅く、50秒をきれないくらいでした。
結論:プリロード2回転締めがいい感じ
今回の練習では、イニシャルアジャスターを取り付けてみて、プリロードのセッティングを検討しました。
結果として、プリロード2回転締めた状態が、乗った感覚的にもタイム的にもいい感触でした。プリロードは、純正よりも抜いたセッティングとなります。
イニシャルアジャスターを回していくと、つまりプリロードを変えていくと、マシンの挙動が変わることを体感することができました。これはきっと沼の入り口なのかもしれない…。
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