ひょんなことからうちに転がり込んできたNSR250 SP(MC21)のフロントフォーク。
VTR250にNSR250Rのダンパーを入れるといいらしいと前から聞いていたこともあり、早速組んで試してみることにしました。
しかもSPのフロントフォークなので、プリロードだけじゃなく伸び側減衰調整機構つき。
フロントフォークの流用
NSRフォークのオーバーホール
入手したフォークをバラして清掃していきます。
減衰調整機構がついているので、トップキャップは中でダンパーロッドとつながっています。
こいつを上下14ミリのレンチを2つ使って外します。上側はプリロード調整部分、下側はダンパーロッドのナットに。14ミリのレンチ2つあったはずなのに、1つがパッと出てこなかったのでとりあえずモンキー。
外れました。
減衰調整は、トップキャップについている棒の、ダンパーロッドへの突き刺さり具合で、穴から上がってくるオイルの流量を変えます。
上から順に、ダンパーロッドを固定しているC型クリップ、ワッシャー、カラー、ワッシャー、スプリング。これらを取り出し、入っていたフォークオイルを排出。
色は割と綺麗でした。
鬼門のダンパー固定ボルト。
アウターチューブをクランプで固定し、6ミリのロングヘキサゴンソケットを取り付けたスピンナハンドルで一気にトルクをかけます。
無事に外れました。これでダンパーが外れます。
あとはインナーチューブを引っ張って、オイルシールごとインナーチューブを引き抜いて、各部清掃。
全体的に、そんなにひどい汚れはありませんでした。
クリップってこれかな?
こいつを外すと、さらに分解することができました。
さらに分解してシムをバラバラにすることも一瞬考えましたが、そんなに汚れてはいなさそうだったのでここまで。
フォークの組み立て
VTR250のフォークとNSR250Rのフォークは、インナーチューブ長が異なります。
VTRが578mm、NSRが568mm。単純に車高が変わってしまうこともあったので、できればVTRのインナーチューブを使いたいところ。
しかし、VTRとNSRではインナーチューブの形状が異なります。
写真の上がNSR250R用、下がVTR250用。
ダンパーに合わせた形状の違いなのか?そうだとしたら、インナーチューブはNSRのものを使ったほうがいいのかも。
つづいて、スプリング。こちらも自由長が異なります。
VTRが330mm、NSR(MC21)が295mm。
写真の上がVTRのもので、下がNSRのもの。
自由長だけじゃなく、線径やピッチも違いそう。
VTRのスプリングを使うとするとプリロードがかかりすぎ、今までと同じくらいのプリロードに設定するとなるとカラーをかなり短いものにする必要があると判断。
というわけで、スプリングもNSRのものを使うことに。ダンパーの減衰力とのバランスもあるしね。
よって、アウターチューブのみがVTRのものとなりました。
シールやスライドメタル類は同じものっぽかったので、シールはVTRの新品に、スライドメタルはVTRについていたきれいな方を使いました。
インナーチューブにダンパーを通して、ロックピースを取り付け。
NSRのダンパー固定ボルトに新品ワッシャー(90544-283-000)を取り付け、ネジロック剤を塗布して締め付け。
新しいオイルシール(51490-MN8-305)をオイルシールプッシャーで圧入。
圧入後、シールストッパー(51447-KA4-711)とダストシール(オイルシールと同梱)を取り付け。
つづいてフォークオイルを入れます。油面はVTRと同じにしようと思って、いつも通り500cc弱入れようとしたら、450ccほどでだいぶいっぱいになりました。
インナーチューブの違いによるものか?と思いながら、エア抜きして油面は98mm(VTR250 3型の純正セッティング)に。でも、オイル量は少なくなってるし、同じではないのかも?
油面調整後、スプリング、ワッシャー、カラー、ワッシャー、C型クリップの順に入れて、トップキャップを取付。トップキャップのOリングは純正新品(91356-KF0-003)を。
とりあえずプリロードと減衰ともに全抜きで、車体に組み付けました。
鬼のパイロン練習会
フォークを組んでからの初練習、鬼のパイロン練習会へ。
暑さ寒さも彼岸までとも言うように、秋分の日かつ山の上の練習会場は、だいぶ過ごしやすい気候になっていました。
午前の部
基礎練習の午前の部、今回は回転ファイブGPとヒラヒラゲートGP。回転ファイブGPは9/3の練習でも走ったもので、タイムで当時との比較ができるかも。
8の字でフロントの感触を確かめる
基礎練コースに出る前に、8の字エリアでフロントフォークの感触を確かめてみました。
とりあえず突き出し0mm、プリロード減衰ともに全抜きでスタート。
ファーストインプレッションとしては、ふわふわ感がなく、フォークがしっとり動いている。そんな感じ。
ハンドリングは素直な感じがしたものの、もう少しハンドル切れやすくなってもいいかなぁという感じ。そこで突き出しを3mmにしてみました。
すると、じわーっと切れていき、最後にガツンと切れる、そんな感触に。まぁこれはこれで悪くない?
そんな感じで回転ファイブGPへ。
するとどうでしょう、9/3のベストは32.920だったものが、1本目から31秒台が出るではないですか。
ですが、フロントが抜けて転倒するのが続き、もっちゃんからは「タイムが出てるってことは方向性は間違ってないから、信じて突っ込みのブレーキをもっとしっかり」、キヨさんからは「バイクと身体がバラバラになってバランス崩しているように見えたから、ニーグリップでバイクと一体になって」とコメントいただきました。
最終的に、回転ファイブGPは30.954までタイムアップ。
もう一方のヒラヒラゲートGPは、一応は走ったものの、時間的にあまり走り込むことはできず。
まぁでも気持ちいい回転が決まって、なんか嬉しい。
お昼休み
お昼休みに、計測コースのコースウォーク。先日のJAGE杯で多くの人を悩ませた線踏みセクションに似たところが。なお、幅的に線踏みは無理な感じ。なかなかに狭くて、ワンミスでパイロンと正面衝突しそうな感じ。
フリーセクションの通り方をサクッと決めて、お弁当🍱。今日のオレは回転キマってるし、いけるはず。
午後の部
タイム計測1本目は1:10.591にペナ1、2本目は1:07.423。もっちゃんを102%後半くらいと仮定すると、117%切るくらい。フリーセクションで置きに行ったのが影響していそう。
実際、コースに慣れてきたら、もっちゃん基準で115%を切るくらいにはいけたのですから。車両感覚、しっかり持ちましょう。
その後、フリーセクション部分がさすがに狭すぎるとコース変更が入り、走り込み。
また、ハイスピードからの回転箇所でフロントが底づきしてるんじゃないかと見てたホッシャくんから指摘を受け、プリロードを1回転分かけてみました。なお、違いはよく分からなかった。
リズムがちっとも取れない気持ち悪いお団子に、ハイスピードからの回転、スピードを残したまま処理したいスラロームと180度ターン、車両感覚がカギになるフリーセクション、そんなお腹いっぱいなコース。
最終的なベストは1:04.712で、仮想トップ比113.93%。
今日のオレはキマってると思ってたけど、意外とそうでもなかった。
けど、NSRフォークの初陣にしては、いい感じなのかもしれない。
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