結論:VTR250(MC33)にはCB400SF(NC39)のトップブリッジはつきません
以上です。ありがとうございました。
というので終わるのもどうかと思うので、上記結論を導き出す前後のわちゃわちゃ奮闘を記録しておきます。どうか僕と同じ轍を踏む人が一人でも減りますように。そして何かしらの形で誰かの参考になりますように。
着想にいたった経緯
モトジムカーナという競技において、ポジションというのは大事なものです。しばらく前から、いろいろな方から指摘されているのですが、僕はどうも反り腰になってしまいがちです。反り腰になってしまうと、真下へかけるべき荷重が斜め後ろ方向に向かってしまい、その分タイヤを路面へ押しつける力が弱くなってしまいます。反り腰になってしまう原因の一つとして、ハンドルが遠いということがあるのではないかと考えました。はいそこ、腕が短いとか言わない。
ハンドルクランプにこういうパーツをかませば、ハンドルの位置を上げて手前に変えることができます。しかしながら僕は、パッと見では純正っぽい見た目が好みですし、このカスタムはまぁまぁよく見るし、あまりやりたくありませんでした。じゃあどうするよ、ハンドル交換するか?するとしたらどんなハンドルがいいのか?と思いながらインターネットの海を漂っていると、モトジムカーナという競技を知るきっかけとなった紫摩さんのブログ記事に漂着しました。この記事によると、CB400SFのトップブリッジはVTR250のものと比較すると、ハンドルクランプの位置が10mmほど手前にあるとのこと。
よし、試してみよう!
思い立ったが吉日、ヤフオクで落札
ヤフオクで「CB400SF トップブリッジ」と検索し、即決価格でサクッと落札しました。
数日後、ブツが届きました。わくわく。
トップブリッジの取り外し
さて、交換作業を始めていきましょう。
まずは、今ついているトップブリッジの取り外しです。
ハンドルクランプのボルトを6mmの六角レンチで外し、ハンドルを外します。
さらに、ヘッドライトを外します。後ほど、トップブリッジに固定されているキーシリンダーからの配線を取り外すためです。ヘッドライトの両側斜め下と上のプラスネジ3つを外します。
ライトの球に接続されているカプラーを外して、ヘッドライトは邪魔にならないところへ。
ヘッドライトケースは、両側のボルトを6mmの六角レンチで外します。ヘッドライトケース内のナットと、ケースのボルト穴に入っているカラーをなくさないように注意です。
さらに、トップブリッジに固定されているメーターを、このボルト左右2本を、8mmのレンチで外します。このボルトの裏にはナットがいますので、落っことして紛失しないように注意が必要です。
まぁ、あられもない姿に。
さて、もう一息です。フォークの上のフランジボルトを12mmのレンチで緩めます。このボルトは完全に外さなくてOKです。
ステアリングステムナットを、30mmのソケットとスピナーハンドルを使って外します。ここの規定トルクは103N・mときつく閉まっているので、長めの工具を使うのがよいでしょう。
ここのナットが30mmだということに作業をしながら気づき、作業を中断して工具を調達に走ったのはここだけのお話。
キーシリンダーからの配線をたどってカプラーを抜き、トップブリッジを左右交互にガタガタと持ち上げながら動かしていくと、トップブリッジが外れます。
キーシリンダーの取り外し
トップブリッジが外れたので、トップブリッジに固定されているキーシリンダーを新しいものに移植します。ここまでできれば、新しいトップブリッジを車体に取り付けることができます。
トップブリッジをひっくり返して、ボルトを確認します。
あれ?六角でもトルクス(星型)でもない?
弄り倒され、ガバガバになってしまった成れの果てでしょうか?なんか溝があったような痕跡があると言われればありますし。いや、でも前のオーナーのところから9年前にうちに来たときは数千キロしか走ってなかったし、外観上はそんなに使い込まれた感じじゃなかったし。
とかとか考えてたら、Sashaさんから、VTR250 FIのパーツリストにはワンウエイと書かれているという情報が。あー、ワンウェイボルトね、締めることはできるけど緩めることはできない片道切符ね。
キャブ車のパーツリスト上でも、確かにワンウェイボルトになっていました(14番の部品)。しかもムカつくのが、ワンウェイボルトの採用が僕の車体の3型からだということ。
そうなったらもう、仕方がないよなぁ。覚悟しやがれワンウェイボルト野郎、ドリルで削って鉄粉にしてやるぜ。
そう、外すというのではなく、消滅させるという方向への、発想の転換です。まぁ消滅させるとまではいかなくても、中心に穴を開けて肉薄にすることで簡単に折れてキーシリンダーが外れるんじゃないかと目論みました。
と意気揚々と始めたものの、1時間経ってもキーシリンダーはびくともしません。こちとらずっとドリル握ってて手が痺れてきてるし、オーバーヒート対策でインパクト2個使用でしかも両方とも1度バッテリー切れてんだよ。ええかげんにせんかい。と悪態祭りを開催してもしょうがないもの。どうしようか考えながら休憩にタバコをふかしていると、思い出しました。
エキストラクターがあったじゃない!
ちょうど肉薄にするのに開けた穴が6.5mmだったので、4番のエキストラクターをハンマーで叩き込み、タップハンドルに力を込めます(なお、上記アストロのドリル&エキストラクターセットにはタップハンドルは含まれていません)。
回る、回るぞ!(ムスカ大佐風)
とったど〜!!
無事にキーシリンダーが取り外せたので、これで移植の準備は完了!とはいかないものです。メーターやらヘッドライトステーやらの取り付け位置が違うようなので、ステーを自作しなければなりません。
仮付けしてメーターヘッドライトの取り付けを考える
移植するNC39のトップブリッジを仮付けしてみま……、、、、
あれ?もしかしてつかないの?
フロントフォーク間の幅、フォークピッチが明らかに違う。
フォークピッチを測ってみた
フォークピッチとは本来、フォークの中心間の距離です。ということは、トップブリッジのフォークの穴の距離 + (フォークの半径 × 2) でフォークピッチを求めることができます。さらにフォークの半径 × 2ということはカタログ上のフォーク径をそのまま足しちゃってOKということです。
まずはVTR250、MC33のトップブリッジ。
151mm!
フォーク径が41mmなので、フォークピッチは192mm。
続いてCB400SF、NC39のトップブリッジ。
164mmなので、フォークピッチは205mm。
はい、おつかれっした〜。元に戻しま〜す。
原状回復作業
まずは外したキーシリンダーをつけます。元々のボルトは亡き者になってしまったので、ホームセンターで買ってきたステンレスのボルトを使用します。M8、ピッチ1.25、長さ20mmのもの。頭は6mmの六角にしました。
続いてトップブリッジを装着します。ステムとフォークの位置を合わせるのはもちろんですが、ここでヘッドライトステーも固定しなければなりません。下写真の赤丸で示しているのが、ヘッドライトステーとその受けの穴です。メーターを固定していたボルトの穴付近にあります。これらの位置を合わせ、上からゴムハンマーで叩いて装着しました。
ステムナットを30mmのソケットレンチを使って締めます。規定トルクは103N・m。
フォークの上のフランジボルトは12mmのレンチで。規定トルクは22N・m。
キーシリンダーからの配線を、ヘッドライトケース裏の穴から入れ、カプラーを差します。
一度キーオンにしてみて、通電確認。問題なさそうです。
続いて、メーターを固定します。下写真のメーターの穴と、トップブリッジの穴をボルトで固定します。トップブリッジ下からナットで受けることで、固定完了です。
ヘッドライトケースの固定には、ボルト・板つきの袋ナット・カラーの3点を使います。
下写真のように、板つき袋ナットであることでナットが共回りしないようになっています。
ヘッドライトのカプラーを差して装着、ハンドルも固定して、
原状回復完了です!
VTR250につくCB400SFのトップブリッジは、NC31のもの
前情報と違うなぁ、おかしいなぁと再びインターネットの海に飛び込むと、このような情報を見つけました。
CB400SFのNC31型 後期モデルのトップブリッジを流用しました。
いけしぶろぐ「VTRをテーパーバー化した話」
(中略)
裏に【MY9】の刻印がある物です。
これ以外のモデルのCB400SFのトップブリッジはフォークピッチが違う?のでつきませんでした。
余談ですがVTRをセパハン化する場合はCB-1やブロスのトップブリッジを流用することが多いみたいですね。
確かに紫摩さんのブログにはNC31とNC39、両方のトップブリッジが登場していました。が、取り付けたのはおそらくNC31のものなのでしょう。
そういうわけで、早速ヤフオクで「NC31 トップブリッジ」と検索して、サクッと落札しました。
つづく
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